ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男 (2017)

2020年8月18日火曜日

2017年の作品 ジャンル:戦争 人物:ウィンストン・チャーチル 製作国:イギリス

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~勝てば官軍~


〇はじめに

 ヒトラーだって民衆が生み出したんだ。



〇想起する作品

 「英国王のスピーチ」(2010)
 「タイピスト!」(2012)
 「緑はよみがえる」(2014)
 「日本のいちばん長い日」(2015)
  ・・・岡本喜八監督版は未見 
 「帰ってきたヒトラー」(2015)
 「ダンケルク」(2017)


〇こんな話

 勝てば官軍?

 天定まって亦能く人に勝つ?


〇勝った者が正義

 最前線(戦場)における兵士の目線は描かれることはなく、描かれるのは上空からの視点のみ。まるで誰かが地図上で駒を動かすが如く戦況を展開する。


 それがある場面、チャーチルにも適用されることになる。チャーチルが兵士を駒の様に動かしていたわけだが、ではこの見下ろされるチャーチルはいったい誰が動かしていたのだろうか...


 またとある場面、チャーチルは演説にて“神の導き”という言葉を用いているが、そういった力のはたらきかけが果たしてあったのだろうか?


 私には時折チャーチルの言動が「日本のいちばん長い日」における陸軍の様に映った。では戦後日本では彼らはどの様な扱いが為されているのか。

 A級戦犯となった者たちは当時どの様に見られていたのか? 例えば東條英機はどうだろうか?

 もし大戦においてナチスドイツが勝利していたら…とすると末恐ろしいものがあるが、いや彼らが勝利していたら現状の善悪の基準を抜きにまた別の正義のカタチがあったはずなのだ。

 極論ではあるが、今正義として掲げられているモノたちが悪に、今悪とされているモノが正義にすら転じているかもしれない。


 チャーチルが地下鉄に乗る件はグッと来るものがあったのだが、元々ヒトラーだって正攻法で、民衆が支持したからこそ成り上がった人物である。

 「帰ってきたヒトラー」(2015) を観ていただきたいのだが、ナチスに潔癖感のあるドイツの街中でヒトラーに扮した役者はどのように見られていたのか。

 また今の時代だからこそなのか鑑賞者自身彼の言動に感化されることが無かったか? 流されそうにならなかったか? その感情は果たして正義なのか?悪なのか?


 最近になって見方が変わってきたことも考慮すべきだろうが、チャーチルが正義とされるのは所詮は結果論でしかない。

 しかしヒトラーが正しかったとする歴史を築いてはいけないとも思う。

 何が正しい選択だったかなんてものは、過去を振り返ってみなければわからない。常に正しい選択ができるとは限らないし、あるかもわからない。そもそも常に正しいものなどない。

 何にどのように向き合っていかなければならないのかを、しっかりと考えていかねばなるまい。


〇最後に

 同じ人間という肩書きを名乗って申し訳ありませんってくらいリリー・ジェームズがめちゃクソ可愛いんだけど、あんまり現代を舞台とした作品に出ないよね。彼女でなければってなくらいに衣装なり色合いなりで映え方が変わるんかね? それとも本人の意向? まぁなんでもいいけど好きです。


 ではでは・・・

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