~想いの強さ~
〇はじめに
いわくつきの作品の様ですよ・・・〇想起する作品
「コールド・クリーク 過去を持つ家」(2003)「ハイテンション」(2003)
「リサイクル 死界」(2006)
「ザ・ボーイ 人形少年の館」(2016)
「ブラック・バタフライ」(2017)
〇こんな話
シャッター!??〇想いの強さ
何か思い詰めてしまうほどのことがあったのだろうか、仕事に没頭するために引きこもるのだと意気込み、住み慣れた部屋を慣れ親しんだ街を飛び出し、人気の無い郊外へと移り住む決断をしたアリス。そんな彼女が前居住者のモノと思しきビデオテープを発見し没入していくことから不可解な現象に巻き込まれていく。ビデオは俗に言うファミリームービー(で良いんだっけ?)で、当初は幸せに溢れ仲睦まじい様子で和やかなムードだったのだが、妻ルーシーの妊娠を前後して夫デビットの様子がおかしくなっていく...
不可思議な現象に見舞われていく彼女を映し出し、ファミリームービーにおけるいきさつ…夫の被害に遭う妻の立場と彼女自身の回顧録とを同期させ、彼女の被害者としての立場を確立する。この状況は自分と向き合い過去に立ち向かい真実を明らかにしそして克服することで解消できるのだと。
しかしデビットがルーシーに語り掛けた言葉と同じ言葉をアリスがレベッカに対して発する映像が再生されたところで作品は締めくくられる。終始被害者の立場に想えていたアリスが、ここで実はデビットの視点とも同期するのだと影を落とす。アリスは単に被害者という立ち位置ではなく、加害者という立ち位置にも成り得る兆しを見せたのだ。
そもそも彼女の観ていた映像とはデビットが映し出したルーシーであり、これはルーシーの目線ではなくデビットがルーシーに見たかったもの見出したかったものの現れであることに気づかされる。
そして最初の郊外へと向けた車内におけるアリスとレベッカのやりとりに、アリスがレベッカに対し時間などお構いなしに電話をかけていたり…と、所々にその兆しがあったことが蘇ってくる。
ルーシーとデビットの夫婦という関係性に対し、レベッカとアリスはどういう関係なのか。同性同士の友人の様にも見えるし、それ以上のものも感じる。
では、
レベッカはアリスの事をどう想っているのだろうか・・・
アリスはレベッカをどう想っているのだろうか・・・
互いに芽生えている感情は、友情だろうか? 愛情だろうか?
双方のベクトルに差異は無いか?齟齬は無いか?
見舞われた現象がアリス自身の書いた脚本であったとすることで、どの立場にもなり得る…いやその立場に立っているからこそ、という補完もそうだが、彼女の抱いている複雑な感情を如実に物語っている。
愛するが故の不安から来る独占欲と、愛したいが故に求めてしまう過剰な見返り。ルーシーとデビットとの想いのズレによってもたらされた悲劇を受け、アリスとレベッカの2人にこれから待ち受けるは果たして何なのだろうか・・・
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