~安全~


〇はじめに

 最初から何かが起きるという悪い予感しかしない。この不穏な空気の醸し出し方は絶妙だよね。



〇想起する作品

 「カサンドラ・クロス」(1976)


〇こんな話

 暴走貨物列車を止めろ!



〇安全管理安全意識

 なるべく楽に、なるべく手順を踏まないように、優先されるべきが確実さではない、安全性ではない。この意識の無さ、危機管理能力の無さにより招かれた事態。


 運転室を出た男が最終的な決定打となったものの、劇中の取り返しのつかない事態は幾重にもミスが重なったことで起きた事態である。エアブレーキを繋がなかった。ポイント切り替えがされてなかった。急かす他無い状態まで彼らがモタモタしていたのはもちろん、常習的にやらかしてきた者たちだと知りながら尚彼らに頼んだこともだそうだろう。

 そして初期対応の杜撰さ。事を重大視しない現場の者たち。運転士と車掌は立ちすくんだままで、周りの人間は嘲笑している。さらに問題は次点で事に当たる人間(上司)がそんな連中の報告を真に受けて対応に当たったことだ。

 ベテラン運転士と新米車掌という2人の主人公を中心とし、管制室と現場という大きくは鉄道会社だけでなく関連会社や警察その他もろもろ事の対応に当たる指揮系統がひたすらに観せられていくことになる。この通達や指示の判断がどんな情報を基に行われどんな顛末を見るのかというのが見どころか。



〇人間関係

 ベテランと新米というところの兼ね合い。


 とあるベテランの運転士が暴走列車の前に立ちはだかり止めようと試みるわけだが失敗する。これは腕を保証された確かな人間でさえ対応不可能である事態だと観せるのもそうなのだが、ここで見つめるべきは運転士が独りで対応したというところ、そして前に立ちはだかったというところではないか。ベテランと新米、上司と部下、デスクと現場における頭ごなしな対応がこれに当たる。


 それに対し、主人公たちは2人で、しかも暴走列車の後ろから止めようと試みるのである。そして各車両のブレーキをかけるという地道な作業から、もう最終的には総動員で対応に当たる。近道など無い、いや地道こそが近道なのだと。


 安全管理・危機管理における警鐘はもちろん、人と人とはどう関わっていくべきなのかという暗喩もあったのではなかろうか・・・


〇最後に

 完全にデブを悪者にされた。普段から身体を動かしておこう!


 ではでは・・・


このブログを検索

Wikipedia

検索結果

アーカイブ

QooQ