DRONE ドローン (2019)

2020年7月2日木曜日

2019年の作品 ジャンル:ホラー 製作国:アメリカ 題材:ドローン

t f B! P L


~魅せる気がある様で無い~


〇はじめに

 ドローンでそれができるの?というところを、盗撮という一点にのみ集中してほしかったな。



〇想起する作品

 「ディスタービア」(2007)


〇こんな話

 憑依合体! イン、ドローン!!



〇もっと奥まで観たかった

 ホラーと謳いつつ根幹はコメディでおふざけだから愚問なのかもしれないが・・・

 ドローンを用いた撮影の醍醐味というのは、人力では到達できない場所からの撮影や、普段は撮り得ない角度からの撮影により、今まで見ることができなかったモノが見える様になることではないだろうか。これはつまり今まで見られる心配が無かったモノが見られてしまう危険性に晒されることと同義である。


 最初に盗撮されてしまう女性というのは、人の目の届かない高層階であるが故の油断があり、それが覗かれる隙であると観せるべき場面のはずなのだが、彼女は明らかに観られることを意識しており、また自身の肢体を魅せようとしている。(...にも関わらず最後まで脱いでくれない)


 近所の夫婦喧嘩を覗く場面がこれの補完としてあるのだが、これまたわざわざ小窓のあるところでするか?と観せたいがためという感情が上回る。


 隣人の無防備さへとふと向いてしまう男の視線の描き方は素晴らしく、盗撮と対極にあると位置付けることで公私の幅としたい意図はわかるのだが、彼女もまた誰かの視線を常に意識しており魅せようとする意志が先行しているため、その意味を為していない。

 本来であれば、その人物における公私の幅、普段見せている面、普段は見せない面、誰にでも見せられる面、特定の誰かになら見せられる面、誰にも見せられない面、見られていると感じるが故に隠す面、見られていないからと油断する(大胆になる)面...、といった様々な境界を描き出しつつそれを優に超えてくるドローンの可能性を以て、盗撮という邪な感情を掻き立てるはずだったのではないか。

...いや失礼、どこに目があるかわからないという危険性を訴えるべきだったのではないか。


 観せてくれる分にはもちろん凝視させていただくが、この作品が映し出すドローンの映像の数々は別段ドローンである必要性を感じるものではなく、女性たちの魅せたいとする意志に反し肝心なところは観せてくれない、またこちらが観たいとするモノへのそっちじゃない応えは、至極残念なものであった。


〇最後に

 お馬鹿映画ってのは重々承知で、やっぱりドローンである必要性が希薄だったし、遊びの部分もまた弱くてなんか中途半端な印象で終わってしまった。

 ではでは・・・


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