ゴースト・ストーリーズ 英国幽霊奇談 (2017)

2019年12月11日水曜日

2017年の作品 ジャンル:ホラー 製作国:イギリス

t f B! P L



~傍観者~


〇はじめに

 グッドマン教授の哀愁というか物悲し気な感じが堪らない。 


 このアンディ・ナイマンって「サヴァイヴ 殺戮の森」(2006)で飛び込み台で片足ジャンプしてた人かよ…


 一気にファンになったわ。


〇想起する作品

 「-less」(2003)
 「スライド」(2004)
 「ステイ」(2005)
 「シャッター アイランド」(2010)
 「ザ・インシデント」(2011)
 「スモーク」(2012)
 「レッド・ライト」(2012)
 「WE GO ON 死霊の証明」(2016)
 「アーバン・レジェンド 死霊都市伝説」(2017)
 「ブラック・バタフライ」(2017)


〇こんな話

 3つの心霊現象を暴け!!



〇閉じ込め症候群

 ・何を信じるかは慎重に選ばないといけない 

 ・脳は見たいようにモノをを見る 

 グッドマン教授は心霊現象(超常現象)の実態を暴き出すことに躍起になっているが、それは騙される人々の救済が目的では決してなく、詐欺を働くものたちへの制裁でもまたなく、単に身勝手な正義に酔いしれるためのものの様に映る。 

 彼の信望する上記の言葉は、真実を見つめる上で注意すべきとする戒めではなく、詐欺被害者同様信じたいモノを見ようとする彼自身を示唆しているものではないのか…と。 


 劇中グッドマン教授と同じ立場で怪現象に相対するわけであるが、真相とするところへと我々鑑賞者とグッドマン教授とでは全く正反対のところに落ち着き、且つそもそものアプローチが異なっていたところが面白いところで。


 心霊現象に対し説明をつける事象を提示され理解することを強いられる我々鑑賞者と、その事象に説明をつけるために心霊現象という自身が絶対に否定したいモノに落とし込み、またその現象を理解するに当たり秘められし葛藤に否が応にも向き合わせられることとなったグッドマン教授。

 彼は何を信じたくないがために何を信じ、また何から目を背けたかったのか… 

 この根源にあったコンプレックスの1つは、ただ傍観者として何もしなかった事に起因する。とある男の死は彼に直接的な原因があったわけではないが、彼の姿はどのように映ったか? 内なるところで何か思うところがあろうとも、それを表に出す事をしなければ意思表示をしなければ否定も肯定も無いのだろうか?…と。

  そんなコンプレックスを払拭するに当たり今度は自身の主張を押し通しひたすらに嘘を暴くという行為を行っていたわけだが、その姿はどの様に映ったのか? そして何をもたらしたのか?

 ・何を信じるかは慎重に選ばないといけない

 ・脳は見たいようにモノをを見る

 この文言というのは彼自身の姿であったのと同時に、彼に向けられた言葉でもあったわけだよね。

 そして我々自身の姿であり、また我々に向けられた言葉でもある。

 父へのコンプレックスと、怪現象に見舞われるに当たり根ざしていたコンプレックスと、その解消にと努める姿と、ラストの彼の姿と… 

 グッドマン教授を見つめるに当たり何を信じまた何を見ようとするのか… 

 この作品を見つめるに当たり、より外の世界を見つめるに当たり、これから何を信じまた何を見ようとしていくのか…



〇最後に

 観終わってからあれやこれやと思慮できる趣深い作品だった。

 ではでは・・・


このブログを検索

Wikipedia

検索結果

アーカイブ

QooQ