~プロポーズ~
〇はじめに
う~ん、どうしたもんか・・・原題「RESONANCE」...共振、共鳴、反響?
〇想起する作品
「スライド」(2004)「ザ・メッセージ 地球侵略」(2014)
「THE BITE 変身する女」(2015)
「ショートウェーブ」(2016)
「アローン・イン・ザ・ゼット」(2016)
〇こんな話
〇プロポーズ
男女関係において1つターニングポイントとなるプロポーズ(または結婚)。そこに至るまでの ‟する側” と ‟待つ側” の心情を、劇中の不自然と感じてしまうやりとりで見出していかないといけないのが大分しんどい...2人きりの時間が中々取れず、すれ違いが表面化してきている最中でやっとこさ漕ぎつけたカップル水入らずの旅行。男は煌びやかな婚約指輪に目を落とし、プロポーズの覚悟とタイミングを伺っている。片や女は昇進したての様で、職場から遥か離れて尚同僚や上司と連絡を取り、目的地に着くや否や男の気持ちを余所に仕事に没頭し始める。
その夜、ふと男は女に「4年もまともに休暇がとれなかったじゃないか」と愚痴をこぼすが、これはつまり男は女をどっちつかずの状態で4年も放っておいたということでもある。
ではこの4年という月日は男と女に何をもたらしたのだろうか?
少なからず彼女にはキャリアウーマンという選択肢を選ばせた。では、キャリアウーマンという選択は2人の将来を見据えているが故のモノか? はたまた独り身になった際の保険か?
またキャリアウーマンという選択の裏で、結婚という選択肢を残すも、子どもという選択肢を捨てさせた。いや元々彼女自身子どもを望んでいなかったかもしれないし、彼が子どもを望まない人だと思っていたから関係を続けている可能性も否定できない。
この夕食のシーンだけを切り取り、4年前と、4年の時が流れている間と、4年経った今とで、2人の選択肢がどう変化したのかを考えてみる。
1、結婚する / 子どもを望んでいる
2、結婚する / 子どもを望んでいない
3、結婚しない / 子どもを望んでいない
男はずっと1を望んでいた風な口ぶり(というより4年かけてやっと覚悟を決めた?)であったが、4年の間に男は女にそれをどのようなカタチで伝えていたのだろうか?
片や女の口ぶりからするに、男に対して抱いていた感情は、2,3のどちらかであった。これは4年間で変化があったものなのか、無かったものなのか。4年前であれば1の選択肢も有り得たのか。または男の1を望む声を受けて、1の選択肢の再燃が有り得るのか。そして何より4年の間に女は男からどのようなカタチでそれを受け取っていたのだろうか?
2人の年齢もよくわからないが、4年以上の交際期間はそろそろ次の段階に進展してもいい頃合いだろう。しかしそれには互いの合意(明確な意思表示)が必要であり、プロポーズという区切り(明確な意思表示)が重要になる。
ズルズルと伸びる交際期間は、女に婚期や妊娠適齢期を気にさせるに十分なもの。その間家族に何か言われることはなかったか。職場の同僚や友人に先を越されなかったか。そんな心配を余所にプロポーズしてこない男に時折不安にさせられたことだろう。もしかしたら別れすら意識していたかもしれない。
中々プロポーズに踏み切れない男の言動は女を不安にさせたことは間違いない。では逆に、その女の不安は男に伝わらなかっただろうか。伝わっていたとして、それをどの様に感じ取っていただろうか? 男が4年もグズグズしている原因に成り得なかったか?
男から女への明確な意思表示が無いまま過ぎる時間は女を不安にさせ、その女の不安は男へと伝播。その不安はまた男を不安にさせプロポーズへと踏み切らせてくれない。そしてまた女を不安にさせる負のスパイラル...
男と女の不安の表出と感受が謎の音の正体・・・??
これは同じ想いを抱いているはずなのに、また同じ不安を抱いていたからこそ、一向に噛み合わなかった男女の物語...
・・・それも狙っていたのだろうか?
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