ヴィジョン 暗闇の来訪者 (2015)

2020年6月3日水曜日

2015年の作品 ジャンル:ホラー 事象現象:予知夢 製作国:アメリカ

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~母の勘~


〇はじめに

 あれ? この話どっかで見た事あるぞ・・・ 金田一少年の事件簿かな??

 心霊現象に繋がりを見出す様はおもしろかった。ただ敏腕バイヤーが霊能力者なのは都合が良すぎる気もする。敏腕というのが能力の裏付けに当たるとしてもだ。


〇想起する作品

 「テイキング・ライブス」(2004)
 「インキーパーズ」(2011)
 「インサイド」(2016)


〇こんな話

 妊娠してから幻覚が見えるようになりました。どうすればいいでしょうか?


〇母親

 過失は無かったものの交通事故にて相手方の赤ちゃんを死なせてしまったイヴリー。トラウマを抱え精神を病みながらもなんとか立ち直り自らも妊婦に...


 彼女のその後の生活を眺めてみると何やらお金持ちのようで、ワイナリーを営もうとしている。これは夫の妻への愛情の指標と見るべきなのだろうが、過失が本当に無かったのか?というところに想いが向く。

 お金を積んで何やら取引があったのではなかろうかと。そして彼女の治療とは、薬の服用とは、自身に責任が無いとすることで罪の意識を軽減させる、謂わば逃避なのではないだろうかと。

 こういった感情を受け、再度幻覚に苛まれる様になった際、以前と同じく薬で抑えこもうとした彼女に対し、友人の1人として服用を否定するセイディという女性を描いたのはうまかった。後々の答え合わせに深みが出てくる。


〇疑念

 予知夢を見る起点は妊娠であり、予知された事態のきっかけは交通事故。

 犯人側の行動は計画的ではあるのだが、実行に踏み切ったのは衝動的な面が存在した。

 しかしそれすらも予知の範疇...

 ...この家ではそれ以前から心霊現象は起きている。

 ん?


 1つコインが未来の暗示としてあるのだが・・・



 1,心霊現象時





 2,未来を見ていたのだと確信した時





 3,ラスト





 これ全部びっみょう~に違うのよね。これは意図的なのか、単にミスなのか・・・

 1と2が違うのは明白だが、1と3は同じだと繋げたかったのではないのか。しかしほんの微妙に傾きが違う。

 未来のとある日の状況が部分的に再現されていたのが心霊現象であるとされていた。この怨みとはその地に憑りついていたものではなく、独りの女に対してであった。ではこの怨みの発現よりも前に起きているものはいったい何なのか。

 ワインが一つのカギなのか。寝かせる、年代物。これは時間が一方通行であることを意識させる。しかしワインは毎年毎年違う味を楽しませてくれる(知らんけど)。当たり年の存在を加味すると・・・

 時間は過去から未来へと一方的に流れるものではなく、巡るものなのだと考えることもできるのではなかろうか。つまり予知とされていたのは未来ではなく、一巡する時間(人間模様?)のひと場面を切り取ったに過ぎないのだと。その象徴が1つコインだった。

―――――
 電話中だったかにコインを立てるのも親から受け継いだ癖だとしたら、定期手的にコインが立つ場面は出てくる。いや無理があるか。

 あれ?この5枚ってのも何か意味あったんでしたっけ?あちらの風習とかで何かあるのかな? 5セント?ってのにも意味が???
―――――

 幻覚はイヴリーしか見ていない。つまり母親となる人間、妊婦が見たモノ。

 今までにこの家に住んだ者の中に母親となった者がいるからこそ続いているモノがある。この土地のワイン産業だ。孫、曾孫が受け継いでいるモノがあった。犯人の動機からも母親というところを描きたかった事は伺える。何より主人公が母親になろうとしている。

 母親という存在があの場にいたすべての人間に存在していたわけだ。そしてあの場には地元の人間が多くいたはずだ。  

 つまりイヴリーが見た幻覚は、彼らへの危険が集約されたものであるということになる。犯人の動機が生まれる前にそれぞれの母親たちが子の、その子の、そのまた子どもの、母親という巡り、子どもという巡りにより危険を察知し幻覚を見ていたのではなかろうかと。

 これから生まれてくる子供たちのヴィジョンがイヴリーにて集約されたのだ。

 ・・・?。


〇最後に

 母親の勘というところをホラーに取り入れたのはおもしろかった。しかしこの題材はサスペンス調で観たい。

 ではでは・・・


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