~オッカムの剃刀~


〇はじめに

 サスペンスなのかホラーなのかという曖昧さがウリかと思ったが、最初からホラーに傾かざるをえない作りが残念だった。



〇想起する作品

 「-less[レス]」(2003)
 「フライトプラン」(2005)
 「リセット」(2010)
 「LAST7」(2011)
 「ザ・エンド」(2012)
 「7500」(2014)
 「フライト・ゲーム」(2014)
 「レフト・ビハインド」(2014)
 「ロッジ LODGE」(2014)


〇こんな話

 ロンドンでナニしたい?



〇オッカムの剃刀

 機内の最終チェック、乗客の搭乗とそれに伴う談話及び談笑、荷物の収納からの着席そしてシートベルトの着用、機長の挨拶、機内での注意事項...、離陸に至るまでの段階がそれはそれは丁寧に描写され、クセのありそうな乗客たちを印象付けながら空飛ぶ密室というシチュエーションが作り上げられていく...

 このくどささえ感じてしまうミステリー要素を帯びさせるオープニングに惹かれ、乗客の消失にアプローチしていくことになるのだが、それぞれの描写に何かしら意図があるのかと思いきや特に意味が見出せないまま1人また1人と消えていく様を追いかけなければいけないのが辛い...


 赤の他人から近しい人へ、情報の又聞きから目の前で、といった様に消失という事象が確実に自身に歩み寄ってくる恐怖は申し分ないが、その緊迫感を持続させるためにも併行して描きたかっただろうトリックなのか?超常現象なのか?という曖昧さが一向に構築されなかったのが痛いところ。

 現実(事件)の線で捜査を行う航空保安官は、1つとしてトリックの仮説を提示しないどころか消えた人間を探そうともせず、延々と客室とコックピットの間をウロウロするのみ。超常現象ではないかと永遠の学生さんに助言されて尚同じ場所を行ったり来たりで、結局答えを教えてもらうまで人が消えたということ以外状況の整理が何もできていない、いやしようとすらしないオロオロアタフタしているあの時間は本当にイライラが募った。

 通常は入り込めない場所こそ調べるべきだろうに、確認もしないまま無理だと言われれば勝手に納得。貨物室等諸々の事情で描けなかったのだとしても、頭上の荷物棚全開けくらいはしてほしかったよ。まぁそれも何も知らされていない乗客をパニックに陥らせないための配慮と捉えることもできるんだけど...

 オッカムの剃刀がなんだって!?

 いったい何がしたかったのか。ナニをしたい人は仰山おったが・・・


 ジャンルの曖昧さは別段意識してなかったかもしれないが、かくれんぼがほぼ不可能な客室という限られた環境だけで作品を成立させるのは無理があったのかもね。


〇最後に

 正体はコロンゾンという悪魔なんだけど、単語として出てくるのでラベル(タグ)では ‟都市伝説:シェイプシフター” とした。

 ではでは・・・


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