~こだわり~


〇はじめに

 3へのこだわりって何だったんだよ・・・


〇想起する作品

 「SAW」シリーズ
 「スピード」(1994)
 「セブン」(1995)
 「マシニスト」(2004)
 「ハサミ男」(2004)
 「ナンバー23」(2007)
 「相棒」シーズン2 第12話『クイズ王
  ・・・これが真相だと思いましたけどね全く違いましたねはい。
 「るろうに剣心」左之助VS安慈 
  ・・・これが一番近かったですかね。


〇こんな話 

 こうきて、こうきて、こうくるか~・・・はぁ(# ゚Д゚)??


〇勝手な思い込み

 大学(神学校)の講義において教授の間違いを正した際の教授が口にした言葉が作品のトリックとしては全てなわけだよね。後にケヴィンの伯母の家の惨状で作品の意図は補足される。



 吹替えでは「思い違い」と訳されてる。原語はわからん。  

 教授の言い分は別段間違っていたわけではないが、より正確に言うのであればとしてケヴィンが訂正を入れる。ケヴィンが優秀な学生であるとして描くのはわかるし、教授からも一目置かれているとしてフォローは入ってるんだけど、これって教授の言葉よりもケヴィンという人間がどこか無神経で空気が読めなくて知らず知らずの内に他人のことを傷つけているとか、プライドの高い人間に怨みを買われてるみたいに映ってしまうのよね。彼に恨みを持つ実態を伴った存在が実在しているとする。ミスリードとして観れば別に良いんだけど。

 でもこの場合、彼のルーツを辿るというか内面へとどんどんどんどんアプローチしていくお話なわけだから、ここで彼を起点とした狙われる理由を想起させるよりも何故彼が狙われているのかという???を深めるべきではなかったか。最初に弟を殺された心理分析官を描くことで、爆弾魔事件における連続性の欠如をケヴィンに当てはめる意図はわかるが、このケヴィンという存在の導入が足を引っ張っている。最初にケヴィンに狙われる理由があるかもしれないと観せてはいけなかったのではないか。

 ってかさ・・・、明らかにサマンサがおかしいのは感じ取れるんだよね。ケヴィンとの関係が子どもの頃から飛び過ぎているし、いきなりひょこっと現れて彼女ヅラ。なんでお前この場所わかんの?タイミング良すぎじゃね?の数々。まぁ一番は手袋だよね・・・。この浮き具合が確かに気にはなるんだけど確信が持てないのよ。他のキャラもひたすらに浮いているから。なぜか同級生が狙われるけどケヴィンとどんな関係にあるのかなんてほぼほぼ全く見えない奴だからね。もう少し学園生活は描いとくべきだったよね。彼のポジションを定めないと。何でコイツなん?という理由を見出させなければいけない。


 まぁいいや、ところで3へのこだわりの話だけど・・・

 このこだわりを見出したのは心理分析官だったわけで。これはおそらく爆弾魔の意識か無意識かのこだわりってものに意味があるとするのではなく、それを判断する者が勝手に意味を見出しているってな話の方なんだよね。相違性よりも類似性を重んじる思考。それ故の連続している爆弾魔事件は全て同一犯であるとする勝手な思い込み。これが教授との件に見えるという・・・。

 しかしこの捜査及び推理が何を追っているのかに関わらず、事の真偽に関わらずケヴィンの内面へと向かっていくというきっかけとして機能する描き出し方はうまかったと思う。結び付けようとする意志が介在することで、究極は善と悪という両極端なもの、正反対のものの対立及び両立の繋ぎとなっている。

 「THR3E」という原題も[3]と[E]ってのは真逆のように見えたりするし、視覚的なトリックがあったりするのかな。というよりよくある手法? 「Se7en」とか・・・

 最終的には三位一体という宗教観から、善と悪と魂という人間の内なる葛藤と、他者という外部への関係性(隣人愛?)へとオトしているわけだよね。

 批判が大事だよ・・・


〇疑念

 解離性障害って同時に異なる人格は表出しないみたいなのなかったっけ? ニアミス感を慎重に精査するか、最初から犯人の顔を映し出すとか開き直るなら開き直るでどちらかに寄ってほしかった。


〇最後に

 解離性障害の混乱を描いた「ハイテンション」。多重人格をうまくまとめ上げるのに変則的に描き出した「アイデンティティー」。文字媒体からの開き直り「ハサミ男」。

 どうしてこの「THE3E」のようなことをやらなかったかって単にまとめられないからだよね。辻褄合わせが難しくなる。奇を衒うという意味で2段落ち、いや3段落ちは功を奏しているが、「ハイテンション」のような混乱として描くのでなく、後腐れなく締めようとしているが故にモヤモヤの方が先行してしまう。ただ、ありふれた多重人格ネタの中での着想は実におもしろい。それ故無難な仕上がりを求めてしまった、どこか勝負を避けた感が否めないのがどうも残念に感じる。

 ではでは・・・


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