フレンチ・ラン (2016)

2019年11月20日水曜日

2016年の作品 ジャンル:サスペンス

t f B! P L


~スリの手口~


〇はじめに

 こらおもろいわ(笑)


〇想起する作品

 「48時間」(1982)
 「デンジャラス・ラン」(2012)
 「フォーカス」(2015)


〇こんな話

 テロに紛れてコソ泥…いやテロさえも自作自演。


〇スリと陰謀

 凸凹なバディものとして至極優秀な作品なのだが、それ以上にスリという縮図が見事に利いている。闊歩する裸の女性、大衆の視線の先、せっせとスリスリ…最初に映し出されるスリの手口、相手の注意を逸らすもしくは何かに注目させることでその裏で目的を完遂するスリの手口がそのまま作品全体で渦巻くお偉いさん方の陰謀へと繋がっているのである。対テロリストを掲げる戦いの裏でセコセコと…

 スリとして極めて優秀で危険回避能力に長けている人間をすんなりと浸透させての、それを一瞬にして覆すテロへと巻き込まれるオープニングも見事。彼の能力(スリの手口)だけでなく、現状のテロの手口をも印象付ける。

 テロの首謀者と実行者との隔たりに混迷を極める捜査。スリという全く以て無関係な人間の介入が事件を迷宮へと向かわせる中、捜査官たちはどんな情報を基にいったい何を相手取ろうとしていたのか。

 そしてその一件があるまで一切前科の無かった人間を追い詰める捜査官を描き出したことで「捜査官>スリ」という構図が形成されるわけだが、スリの腕前を見せてみろとの挑発にこれまた序列を崩壊させる様には唸ってしまう。凸凹コンビ結成の兆しだけでなく、対テロ戦争が混迷を極める理由を見出させさらには説得力を帯びさせる。


 とある分野においてスリよりも長けていた優秀な捜査官ですら目の前で起きた自分に対して行われたスリの手口は一切見抜くことはできなかった。指摘されて初めて財布の中身だけが奪われていることに気付いた。指摘されていなかったら財布はとられていないという認識しか無かったはずだ。そして気付いた時には時すでに遅し。

 お偉いさんたちは今もほくそ笑んでいる。悪い事をしようとバレなければいい。民衆は馬鹿だから情報に踊らされ物事の本質には気付かない。ちょろいもんだぜ。


 スリの手口と陰謀とを照らし合わせ、ひたすらにずる賢いお偉方とそれに翻弄される馬鹿な民衆たちという構図が何とも皮肉めいているが、そこをぶち壊していくコンビの憎めなさ故に何とも面白く観られる。


〇最後に

 続編作っても良いんじゃないかな? もう始動してる?? 期待していい???


 ではでは・・・

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