~体感時間~
〇はじめに
時間の流れ方が絶妙だった。〇想起する作品
「THR3E 影なき爆殺魔」(2006)〇こんな話
箪笥がゴン。〇体感時間の差
いつまでも続けば良いのにと願う夢のような姉妹2人だけの時間をベースに、新しい母親を始めとした家族(親戚)が介入することで漂う不穏な空気と共に真相への焦燥感を募らせる中、夢ならば早く覚めてほしい早く逃れたいとするゆっくりと忍び寄る恐怖の演出とその緩急にはやられる。真相は知りたいが怖いのは嫌だよという相反する感情の対立、いわゆる怖いもの見たさを見事にくすぐってくる。リメイクの「ゲスト」を観てからというのがあっただけに最初に違和感を覚えたわけだが、最近「THR3E 影なき爆殺魔」を観たこともあり、単純に実在するものに悪を定めたことでの二元化及び二極化という対立ではなく、姉妹を認識する存在をも作り出すという作品との動機も相まって、スミ自らが悪となるものを創り出したという点で、自らの後悔と罪悪感とにひたすらに苛まれる(葛藤する)少女というのはこちらの方が受け入れられやすい気がする。
〇最後に
サスペンス色で言えばテンポで観せた「ゲスト」が好みだしフェアだとは思うが、少女の内なる葛藤の描き出し方はこの「箪笥」の方が断然うまい。彼女の希望と絶望を通して映し出された世界で流れる時間の差が見事見事。ではでは・・・
0 件のコメント:
コメントを投稿