~時空連続体~
〇はじめに
ミステリー・サスペンス映画としては難。SFラブロマンス映画としてはそれなりに可。
〇想起する作品
「バタフライ・エフェクト」シリーズ
「アナザー・エフェクト 11:59」(2005)
「デジャヴ」(2006)
「ミッション:8ミニッツ」(2011)
「LOOPER ルーパー」(2012)
「エンド・オブ・ザ・フューチャー」(2015)
「僕だけがいない街」(2016)
「デス・レター 呪いの手紙」(2017)
「デス・レター 呪いの手紙」(2017)
「ハングマン」(2017)
〇こんな話
脈拍上げてタイムトラベル。〇観察者効果
出場する大会は連戦連勝、国内では敵無し状態で次なる目標はオリンピックで金メダル。無名から一躍ロシア陸上界のスターに伸し上がった男セルゲイは男女問わず注目の的。誰もが彼に熱い視線を向ける。
プライベートではセレブをとっかえひっかえ。話題に事欠かなかったが、一般人女性と恋仲へ。ある日ハメを外し過ぎた彼は、助手席にその彼女を乗せ高速道路を速度超超超過で爆走。今まで死亡者が1人も出ていなかった場所で大事故を引き起こし彼女を死亡させてしまう。しかし彼が罪に問われることはなかった。
自身も復帰が絶望的な怪我を負い後遺症に苛まれる中、世間の目は一転冷たいものとなっていた。しかしインストラクターとして働くスポーツジムでの彼は、指導者としての資質を抜きに女性からの指名予約が殺到するほどの大人気。予約待ちなんのその、指導を受けられなくとも彼を見に施設を訪れる者も多くいるという...
そんな彼がある一定条件化の下、タイムトラベルできる能力を得、不意なことから殺人事件の容疑者に仕立て上げられてしまう。彼は真相を突き止めるべく再び全力で走り出す...
タイムトラベルの条件や設定はよくわからないものの・・・、
被害者が通っていたジム、被害者の携帯に残された画像、被害者の水筒から検出された指紋、また罪を揉み消してもらった経歴、
公園にて起きた殺人事件において、セルゲイの現在に見る犯行を裏付ける証拠(条件)の数々と、過去に見るあり得た犯行の動機という、彼自身に身に覚えのない事象、また関与していない(できなかった)事象によって、彼の周囲の目によって固められていく1つの真実に対し、
過去へのタイムトラベルによって見逃されていたいや見えなかった情報がセルゲイの目によって可視化されることで新たな真実が確定していく、徐々に徐々に真相が解き明かされていくサスペンス映画の様相は中々に面白い。
また彼が過去(真相)を確定させていく一方で、それに伴う指針が現在の行動へと反映されることで未確定だったはずの未来もまた収束し確定させてしまうという、SFものとしての意気込みも十二分で、
過去が現在と未来を形作るとともに未来もまた現在と過去を...
過去~現在~未来という連続、タイムライン(世界線)を形成・構築するセルゲイという存在の、苦悩と葛藤の果てに下される決断(選択)によってもたらされる、勝者と敗者...栄光と挫折...光と陰...主役とモブ...生と死...の、彼にだけ彼だけが反映されない反転と逆転が起きた世界の余韻は、SFラブロマンス映画としては絶妙。
ただ...、事件が解き明かされていく工程を以てのSFラブロマンスへの落としは見事だし噛み合わせも抜群で合点が行くのだが、主線にしているサスペンスというジャンル単独で観ると、根幹にあるSF及びラブロマンスの設定に引っ張られ過ぎていて、ミスリードは効いていてもそもそもの伏線が機能していないどころか張られておらず、鑑賞者側としては推理の仕様があったかどうかは甚だ疑問。
あと...、刑事さんが堕ちちゃうのもちょっと唐突に感じるなぁ~
〇最後に
ラスト駆け出す刑事さんの画もあって、条件の釣り合いは丁寧に図られてる気がするけど、そもそもの“3つの死”と“脈拍”のお話はどういった理由で考え付いたのかね? ではでは・・・
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