タイム・ループ 7回殺された男 (2016)

2019年9月26日木曜日

2016年の作品 ジャンル:サスペンス 事象現象:ループ 製作国:セルビア

t f B! P L


~過去からは逃れられない~


〇はじめに

 なぜ?なんで?とループに対して原因や理由を見出したくなるのだが、原因や理由は何にせよ今起きているループには意味があるのだと割り切り次の段階に進めるかどうか・・・


〇想起する作品

 「ANOTHER アナザー」(2006)
 「LOOP ループ」(2006)
 「今日も僕は殺される」(2007)
 「ブロークン・アイデンティティ」(2012) 
 「オール・ユー・ニード・イズ・キル」(2014)
 「僕だけがいない街」(2016)


〇こんな話

 ベンチで目が覚め殺される・・・


〇罪からは逃れられない 

 過去からは逃れられない もしくは 罪からは逃れられない

 男は白い仮面の男たちに殺される度にまた同じベンチで目を覚ます。そんな状況で彼が終始選択していたのは逃げること。正確には自らの死から逃れること。この作品において死とは何を意味していたのか。


 なぜ彼は殺されるのか?

…という疑問をベースに作品は展開するが、鑑賞者に事態を把握させていく上で最初に無差別殺人の可能性を示唆させたのはうまい。2度目の目覚めにおいて自分がターゲットであると確信させることを皮切りに、その人物を一番に定める顔や名前というもの、では自分という存在は何なのか何によって定まるのかという路線に着地させることに機能している。

 彼の記憶は蓄積されていくのに対し、周りのモノは全てリセットされているということで如何に逃れるのかという謎解き要素が付加されるわけだが、ここで

  ではなぜ彼は死ねないのか?

と問題点を置き替えようとする刷り込みもまたうまい。

 ここまで来たらあとはなぜ死ねないのかという理由をどこに何に見出すかよね。


 少し難点なところ・・・

  記憶の蓄積の兼ね合いとして事を有利に運ぼうとする主人公を描く上で、毎度起こる何かしらのイベントを防ぐ行動は欲しいのだが、これだと彼が「死ねない」というより「生かされている」意味に繋がってしまうのよね。これは作り手にとって難しかったところなんじゃないかな。意外と気にしてなかったり?

 お国柄として何かあるようだけどね。基本的に主人公の被害者感情先行って逆転要素なんだよね。つまり主人公が悪者で~・・・罰せられてるってな話。やりつくされているというか常套句というか・・・

  自己同定という過程を経て過去及び罪からは逃れられない、受け入れなければ前に進めないとする着地点は良いんだけど、なんで自分を取り戻すヒントを残していたのかってところの解消がまた無いのよね。記憶を無くす以前にもこの死と再生の繰り返しがあったとするならまた少し違って見えてくるわけなんだけど・・・

 こういった辺りが意味を見出すというところには理に適っているのだろうけど、映画という作品として観るとどうなのだろうかってマイナス要素でもあるのよね。


〇最後に

 その国の状勢やら様々な背景が見えてないとわからないだろう作品は多いね。自分の勉強不足を棚に上げるわけではないけど、もう何から手をつけて良いのかわからなくなるよ。それを理由に何もしなくなるんだよね(;´д`)トホホ

 ではでは・・・


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