~同じようで違う~
〇はじめに
ヒョンビン滅茶苦茶かっけえな・・・(溜息)一人暮らしの女性の家にズケズケ入り込んでクローゼットで探し物しませんもんね普通。
飲み物持ってきたり、脱いだ上着持ってったり...etc
〇想起する作品
「交渉人」(1998)「マーキュリー・ライジング」(1998)
「ホステージ」(2005)
〇こんな話
姑! キム・サンホ!!〇違うようで同じ
休暇(合コン)を満喫中にも関わらず呼び出され、マスコミが押し寄せている事件現場に渋々とおめかし姿で登場する女性交渉人。上司からの信頼はさることながら、その上司と触れ合うほどの距離にいながら平然と着替え始める彼女からもまた別の意味で上司への信頼(?)が伺え、武器を手にした立てこもり犯を前にしての丸腰であることの強調に、女性として男社会で生き抜く覚悟と度胸をも垣間見る...呼び出された背景には、国籍を違えた犯人との意思疎通を図れる英語に堪能だからという理由が大きくあった。彼女の到着により、壁を隔てだった交渉が懐に入り込むまでに、目に見えて進捗する。
しかし彼女を以ってしても犯人たちの母国語の会話までは理解できていない。やはり立ち塞がる言語の壁を感じさせるとともに、彼女の努力を無下にする命令を同じ組織に所属する同じ国に属する韓国人が下したことで、また別に溝が存在することを醸し出す。
この主人公をどん底に突き落とす最初の事件において、窓、カーテン(ブラインド)、ドアといったモノが国や言葉を違えた犯人との隔たり(または犯人との距離を測るモノ)として描かれていたのに対し、メインとなる事件においては国も言葉も同じ者同士を隔てるモノとして描かれているのがおもしろい。
このガラス張りにも関わらずもたらされる閉塞感と、一向に噛み合わず進捗しない交渉の焦れったさとで、犯人を越えて自身が所属する国及び組織へと不信感が向いていく工程が丁寧に感じられる。
そして隔たりや溝といった一見「違い」をベースに描いていながら、その裏にあるものはどこの国も同じなんだなと悪い意味で通じさせる皮肉はこれまた見事で笑えない・・・
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