ダスト・ウォーカー (2019)

2020年4月28日火曜日

2019年の作品 SF:侵略 ジャンル:SF 製作国:オーストラリア

t f B! P L


~奴ら戻るのか?~


〇はじめに

 スピエリッグ兄弟の「アンデッド」(2003) だな・・・


〇想起する作品

 「ボディ・スナッチャー」
 「ヒドゥン」(1987)
 「パラサイト」(1998)
 「アンデッド」(2003)
 「AVP2 エイリアンズVS.プレデター」(2007)
 「クレイジーズ」(2010)
 「プロメテウス」(2012)
 「ヴァイラル」(2016)
 「エイリアン:コヴェナント」(2017)
 「オキュペーション 侵略」(2018)
 「レプリケイト 襲撃」(2019)


〇こんな話

 奴らは来た...、奴らは戻るのか?...、奴らは元々は



〇都会と田舎

 便利さが普及しきらず何かと不便が付きまとう街。電波が無くてもさほど生活が変わり映えしない街。皆顔見知りで広大な自然とは裏腹な狭い街。そんなド田舎にUFOが墜落したことで繰り広げられるサバイバルパニック...

 ストーリーは一見、宇宙の遥か彼方から飛来した寄生型のエイリアンが、先住民であるホモ・サピエンスを侵略しようとしている様に映るのだが、事態はもう少し複雑な様で...


 保安官であるジョアンは元々都会(街の外)へ出て働いていたものの、妹が妊娠したことを機に出戻ってきた身。片や妹は両親が愛した街にずっと留まっており、非正規ではあるものの教職に就き、今は姉の助けを借りながら母独り息子の面倒を見ている。

 どうやら街では閉ざされている将来を憂い、姉のジョアンが主導で街を出る(都会へ行く)準備をしている様で、しかし街の外を知る姉と知らない妹とで、故郷を去るか留まるかで考えを異にしている。

 また一方でジョアンの同僚のルークは、都会から街へ来た身でありながらも都会へは戻りたくないと言い、若者にとって将来が閉ざされていると言えども地質学者のアンジェラにとっては貴重な場所であると言う。

 様々な境遇で集っている住人たちの織り成す言動から見えてくる、都会と田舎の一面と側面...


 そういえばと、最初に映し出される街並みは一見廃れ行く現状を観せるだけの様でいて、消防署...教会...バスケットコート...といった以前は人が集まっていた痕跡を示すモノでもあった。

 今は都会へと人が流出してしまったことで活気も無く廃れた街かもしれないが、かつては逆に人が集まってきた栄えていた街なのではないだろうか・・・

 今は都会から隔絶され取り残された街かもしれないが、昔はその関係が逆転していたのではなかろうか・・・

 人が集まり根付いた者たちがいるからこそ彼らの今の生活がある。では根付くに当たり何か生じた出来事は無かっただろうか? アボリジニ、アイヌ、インディアン...


 人類に同化し人類を排除しようとしてきた化け物は人類と同じDNAを持つという...

 彼らは人類の祖先、あるいは共通の祖先を持つ者同士。

 人類は祖先を同じくしながら、度々分断を強いてきた。それは今尚である。

 地球における人類の往来を足掛けに、人類の開拓史とそれに伴った同化排除に想いを巡らせながら人類のルーツ及び行く末を憂う旅へと昇華させたのは評価できると思う。



〇最後に

 同じオーストラリア産の「オキュペーション 侵略」(2018) という作品もそうだったけど、人類という枠を以て宇宙にその視野を広げ、その逆もまた...といった試みが今日性を感じる部分なんだと思う。

 ではでは・・・


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