~観察者~


〇はじめに

 若者向けかどうかはわからないが、CDプレイヤー辺りが流行った時期からの時代の変遷が身に染みているとまた違った味わいがあると思う。MDが骨董品か・・・ 天体観測・・・はぁ(*´Д`)


〇想起する作品

 「江の島プリズム」(2013)
 「orange オレンジ」(2015)
 「君の名は。」(2106)
 「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」(2016)
 「無邪気の楽園」雨蘭 
 「ヤンキー君とメガネちゃん」吉河美希


〇こんな話

 平祐奈好きですか?


〇観察者

 「我々鑑賞者」→「夜明了(観察者)」→「海崎新太(ReLIFE被験者)」→「高校生たち」

というように我々鑑賞者が一番外側の観察者というポジションに当てはまるわけだが、単に彼らを達観視させるだけでなく、海崎新太という存在に視点をダブらせることを皮切りに、海崎新太から眺める視点と海崎新太を眺める視点との両方を補完できるように描かれている。

 新太がリライフの被験者として観察者(夜明了)という存在に監視されることになるわけだが、2度目の高校生活ということで勉強を除いた心の余裕や、自身の失敗談から同じ道は歩ませたくないとする気遣いもあり、友人たちのそれぞれの想いのベクトルが気恥ずかしいくらいに見えてくる。新太もまた彼らの観察者として機能しているわけである。まぁフィクションならではの演出と言ってしまえばそれまでなのだが・・・

 そして何よりすばらしかったのは、新太の夜明了と高校生たちのサンドウィッチで終わらせるわけでなく、夜明了の視点へと還したところだ。新太からのアプローチにより高校生との間には信頼というベクトルが双方向の関係が築かれたわけであるが、夜明了はその環の中にはいない。観察者であるという一方的なものでしかないのである。関係を深めれば深めるほどにリライフ被験者であるというしがらみが新太を悩ませ、その悩みが深くなればなるほどに夜明了のやるせなさが際立っていくのに…である。もう一人の被験者が明らかになったことでそれは一層大きくなる。どこか彼だけに孤独を感じてしまう。それはまるで作品をただ見つめるしかない我々鑑賞者にダブる。

 新太が同級生たちを達観視することで彼らの行く末を追うだけでなく、自らの行く末を案ずる存在が描かれていく。新太が同級生に親身になっていくように、夜明了もまた新太に情が湧いていく。新太には唯一抱えるリライフの悩みを共有してくれる夜明了がおり、さらには同級生の助けがあるが、夜明了は被験者の悩みを一方的に受け取ることしかできずその捌け口は存在しない。

 ここに何とも寂しさを覚えたのだが…いやよかったよ。ホントに安心した。安堵した。

 自分を見失う人が多いと想われる昨今、自分はどこに存在しているのか、立っているのかという温もりをこの作品で感じられたら良いのではなかろうか。

 リライフ開始直後、習慣化したことにより抜けきらない癖や行動というものにより新太と千鶴を結び付けた。タバコ、財布(お金)・・・ これが記憶が消されてもというお話へと紡がれるのもよかった。


〇余談①

 夏菜は英語の教師だったのか・・・ てっきり保健体育かと・・・

 平祐奈と市川実日子の板挟みかよ。中川大志羨ましいわ。    

 「黒崎くんの言いなりになんてならない」では白けていたが、千葉雄大アリだわ。気障な感じ出さない役で行ってほしいな。周りが許さないか。




〇余談②

 劇場では確認できなかったんだけど・・・




 こういうお札を表を向けて渡すところは好感。



 
 中川大志の意思か演技指導のおかげかはわからんけど。  


〇最後に

 踊ってみた私にも送ってプリーズ。

 ではでは・・・
  

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