地獄の変異 (2005)

2020年3月1日日曜日

2005年の作品 ジャンル:ホラー 舞台:洞窟

t f B! P L


~共生~


〇はじめに

 絶対に洞窟とか入りたくない・・・ 抜け出せなくなるのが本当に怖いんだよね。


〇想起する作品

 「ディセント」(2005)


〇こんな話

 洞窟調査で未知との遭遇。



〇共生

 何かしら意味があって洞窟の入り口は塞がれており、何かしら意味があってその塞がれた入り口の上に教会が立てられ、何かしら意味があってその周辺は立ち入り禁止エリアとなっていた。そんな場所を30年前にトレジャーハンター?が土足で踏み荒らしていたという導入。

 洞窟への塞がれた入り口を爆破したことで崖の崩落が起こるわけであるが、その穴は塞がれるべきであるといった自然の意志が働いたともとれる。どうやら語られている伝説(テンプル騎士団がどうとか…)もあるようで、入り口を塞ごうとする意志が人為的にも自然的にも働いた場所。良くも悪くも神聖な場所である様だ。

 現在時間の調査部隊はそんな場所をまた掘り起こし、トレジャーハンター同様洞窟に押し入っていく…調査に入っていく。


 彼らの話によるとやれ食物連鎖だ、やれ閉鎖生態系で独自の進化を遂げているだ、外界とは別にその洞窟で完結している回っているモノがあるとしている。外界と…人類が生息している世界との接点は無かった、そもそもその必要性が無かったわけだ。これでまた触れるべきではなかったとする人類の侵犯が際立つ。

 奴らは先住民であり、人類は開拓者もしくは侵略者…であると。

 しかし力関係(食物連鎖)において人類は奴らよりも下位であることから、人類は奴らの恰好の餌であり、人類はただひたすらに蹂躙されるのみ。

 奴らにとってはホームであり、人類にとってはアウェイ…とも見られるわけだ。

 人類が立ち入るべきではない場所。人類が食物連鎖の下位に位置づけられる閉鎖生態系。そして脱出劇…


 そんなこんなでどことなくその場所(洞窟内)において全てが完結するかのような錯覚を覚える。奴らにとって洞窟は安住の地であり、立ち入る餌は捕食すれども去るモノは追わず、いや追えず。人類が見舞われた様に、奴らにもまた外界においては食物連鎖及び生態系の変化…適応のリスクがあるからである。であるからして人類は逃げ切れば御の字。

 洞窟における閉塞感は見事だし、はやく脱出したい陽の目を見たいとする焦燥感を募らせる。そして人類の上位種と位置付けていた奴らとは寄生された人間が変異した姿であり、真に警戒すべきは寄生生物の方であったとすることで、人間の脱出へと向けた感情を寄生生物の目的へと昇華させる(逆転させる)ラストはまた見事で。

 兄貴(ジャック)が脱出へと導いていたということも踏まえ彼の自己犠牲を鑑みると、弟を守るため脱出させるためというのはもちろんあるだろうが、寄生生物という種の観点からイチ個体を外界へと送り出すという目的もあったのではないかとも想えてくる。

 人類という種を守るため、というのと、寄生生物という種を守るため、という利害の一致があった様に見えるわけだ。宿主と寄生生物の共生関係の体現で話を締めくくっている。  

 ではその共生関係とはどのようなカタチに落ち着くのだろうね?

 どちらに有利に?不利に?いや平等かね?


 どうなることやら・・・怖い怖い・・・


〇最後に

 パイパー・ペラーボ堪らんよね~


 ではでは・・・


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