~見えない敵の尺度~
〇はじめに
原題が「Man Vs.」であり、ベア・グリルスの番組が下地にあるのだろう。そしてありきで観るべきだと思う。
「鋼の錬金術師」
「プレデター」(1987)
「プレデター」(1987)
「101日」(2010)
「ZONE ゾーン」(2011)
「ストレージ24」(2012)
「ダーク・タイド」(2012)
「スケア・キャンペーン」(2016)
「10クローバーフィールド・レーン」(2016)
「ホワイトシャーク」(2018)
「レプリケイト 襲撃」(2019)
...あとPOVホラー全般
人里から隔絶された大自然の中に独り置き去りにされ、身一つで生き延びるというコンセプトで人気を博するサバイバル番組。新シーズンの放映は決定しているものの、競争が激しい世界故常に打ち切りか継続かの瀬戸際に立たされている。ホストを務めるダグの肩に番組の命運は懸かっており、新規視聴者を囲い込みハートを鷲掴みにするべく、より過激な演出が求められていた。いざ新シーズンの撮影へ...
獲物となるウサギなどの小動物とその痕跡...人間が獲物になりかねない避けるべきオオカミやクマといった大動物...人間より危険察知能力に優れた野性動物たちの習性(オオカミは冬に備え脂肪を蓄えるためたらふく喰うという...)...故の拠点と調理場と貯蔵保管場所の分散...、
数々のサバイバル術を駆使し、木々が生い茂り野生動物が多数生息する人の手が一切入っていない過酷な環境において、身一つで生き抜こうとする独りの男が丹念に描き出されていく。そんな最中不可解な現象にもまた見舞われていくことに...
宙吊りで保存しておいたウサギの横取り...罠により捉えられたウサギの横取り...シェルターと火起こしの実践...ウサギ及びオオカミの調理・解体...携帯電話の解体...ウサギ捕獲用の罠で怪我(出血)...人間捕獲用の罠...チェス大好き...etc.
...と見舞われていく現象を、生存競争真っ只中の自然という驚異の中で、打ち切り(死)と継続(生)の瀬戸際に立たされた彼に、生きる権利を与えてくれるモノとして描いたサバイバル術を基準に描き出す事で、見えなくとも姿形はわからなくとも“ソレ”の脅威を測らせていく手腕は実に実に見事。
人間の人間による人間のための人間が生き抜くためのサバイバル術の数々が攻略され、模倣され、拡張応用され最終的に人間がその標的とされる様を以て、人間に近しい...いや同等かそれ以上...いや確実に上位の存在...、と段階を踏ませ、見えないナニカが着実に迫り来ているとする演出は非常に恐ろしいものだった。でもチェスはやり過ぎじゃない??
ラストも編集された番組と撮影の裏側という、部分と全体との兼ね合いなのかな。良かったと思う。
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