~サメとは?~


〇はじめに

 原題:「HAI-ALARM AUF MALLORCA」



〇想起する作品

 「激突!」(1971)
 「ディープシャーク」(2003)
 「海底47m」(2017)


〇こんな話

 サメは愛する者の命を奪う絶望、サメは愛する者の命を救う希望。



〇サメ

 スヴェンはマヨルカ島で随一の送迎屋。ヘリコプターの操縦の腕は確かで信頼も厚い。しかし操縦以外のことは滅茶苦茶不器用で、特に料理の腕は絶望的。娘のマーヤと2人で暮らしており、妻レベッカの死後ギクシャクしているものの、娘のピンチとあらばお客様を送迎中にも関わらずその足で誰よりも先に駆け付ける。

 元超一流の水泳選手だったようだが、妻を海で亡くして以降水を避ける様になったという。妻の死をサメの襲撃の所為だとし異様な執着(憎悪)を示すが、そもそもの原因は自身の過失であるとする後悔にも苛まれている。もう一度レベッカに会えるのならば、魂を売ったっていいとボヤく。


 娘のマーヤはシャーク・ケージ・ダイビングでお客が海底に取り残された際、男どもがオロオロアタフタする中、真っ先に救助要請をと無線の元へと走り、救助を待たずに自らがサメに群る海へ飛び込もうとする。何かと反発してしまいがちだが、父親譲りの真っ直ぐさ(ド根性?)を持つ。海でサメに殺された母の死を乗り越えようと、何かと海やサメに関わろうとしている。


 サメの有無に関して何かと対立する警官のカルロスはスヴェンの大親友。水泳選手時代からの腐れ縁で元ライバル。妻を亡くしたスヴェンの心の支えとなり、マーヤのことも実の娘の様に思っている。最愛の者を亡くした者たちの悲しみに誰よりも近くで触れてきた男である。そんなカルロスの妻マリエラは癌で闘病中。日に日に悪化しており互いに別れを意識し始めている。


 離婚ホヤホヤ微生物学者のベネット博士は、癌にかからないというサメ(カルカロドン)の免疫機能を研究しており、その腕を買われマヨルカ島にある癌の特効薬開発を進める研究所へと招聘されてきた。スヴェンに何かと色目を使い、スヴェンも満更でもない。


 腕に大きな傷跡を残し、異様にサメに執着(陶酔)しているヴェレーナ・ブランダウアー博士。癌の特効薬開発に勤しむが、
進歩には犠牲は付き物だと言い張り、その動機は決して人道的なモノではないようだ。


 全容を中々魅せてくれないサメ(メガロドン)の画的な物足りなさは否めないものの、それぞれが向けるサメへの異なる視線...

 愛する妻の命を奪った憎き怪物であり、また最愛の娘の命を奪い得る絶望であり、癌の特効薬開発という金のなる木であり、人類が癌を克服できるかもしれない希望であり、愛する者の命を救えるかもしれない魂を売ってでも縋りたい一縷の望みであり、

...を丁寧に描き出しており、平等に分け隔てなく彼らを襲撃する実像と相対を以て、彼らのドラマを踏襲する構成は実に見応えのあるものだった。



〇疑念

 マヨルカ島はこんなのがあるの? 常識?


 追いかけっこする必要あったのだろうか?


 メガロドンにアレをアレしてもらって爆発させる必要があったからアレなのかな?


〇最後に

 これは普通に面白かった。

 ではでは・・・



〇思い出(´◉◞౪◟◉)







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