ディープ・ショック (2003)

2020年11月8日日曜日

2003年の作品 事象現象:温暖化 製作国:アメリカ 動物:電気ウナギ

t f B! P L


~人類こそ至高にして至上~


〇はじめに

 電気ウナギがどうのってこの時期何か流行りましたっけ? なんだろ??



〇想起する作品

 「ファンタスティック・プラネット」(1973)
 「アビス」(1989)
 「アライバル 侵略者」(1996)
 「ディープ・ブルー」(1999)
 「ディープ・コア2002」(2002)
 「ディープ・フリーズ」(2002)
 「バイオハザード」(2002)
 「サイレント・ワールド」(2004)
 「地球が凍りつく日」(2006)
 「マン・オブ・スティール」(2013)
 「X-コンタクト」(2015)
 「メッセージ」(2016)


〇こんな話

 北極の温暖化が急速に進んでおり、このままだと氷の融解により地表の6割が海の下に沈むという...


 国連は原因となっている海溝の開口を塞ぐため、大量の核爆弾を使用し人工地震を発生させる計画にゴーサインを出す...


 そうしたらなんと大量の電気ウナギが、作戦遂行に当たる潜水艦(基地)を襲ってきた...



〇人類の人類による人類のための地球

 原因は明言していないものの地球全体で温暖化はしており、それが人類の存続と繁栄にとって都合の悪いこと(脅威)であるという大前提がありつつ、それとは別に北極の局地的な温暖化が急速に進んでいることで、人類滅亡の危機が想定していたより早まっているという...

 その原因が未知の知的生命体によるものなのか、地殻変動によるものなのか、という見解の相違(対立)が起点となり物語が展開されていくはずなのだが...

 原因を人類と同等かそれ以上の知的生命体とし、対策を検討するに当たりまず彼らの発する信号の調査(解明)が必要だ、とする因果関係を明示している主張に対し、


 原因を開示せず、「核攻撃が必要だ!」「核で解決だ!!」「核爆発最高♡」として対策のみを前面に押し出す、主人公側の主張に対して比較しようのない主張を当てている事で、


 対立をイーブンな状態からスタートさせる気など毛頭無い姿勢と、どちらが善でどちらが悪でとする作品の言い分が端から表出し、端から結論ありきの展開になってしまっているので、お話として全く面白味が無い。

 後々海溝の開口が原因であり、それを塞ぐために核攻撃により人工地震を誘発させる必要があるとする主張が徐々に明らかになってくるのだが、その時にはもう...


 北極海において繰り広げられる攻防において、先制攻撃を仕掛け優位性を顕示したいとする姿勢を描き出す事で、その攻撃対象が人類の座を脅かし得る存在であることを明示すると共に、飽くまでも人類を起点とした惨事であることを強調し、まるで地球の王座に君臨しているかの如き人間様の傲慢さをまた描き出すことにより、

 地球が人類にとって住み良い環境であるが故に、人類のために用意されたかのように錯覚を覚えている、人類こそが地球において頂点である、とする思想に一石投じたいとする言い分には理解を示したい。



〇お話の整理

 地球の(おそらく人類由来の)温暖化により、有史以前に地球へと来訪し冬眠していた電気ウナギが目を覚まし活動を開始。

 宇宙のどこかに存在している仲間と交信しながら、その仲間のため子孫の繁栄のため、住みやすい環境へと地球の改変を試み始める。

 それが北極の局地的な温暖化として人類に観測され、滅亡の危機に陥った人類が対策に乗り出した...


〇疑念

 結局地球の温暖化に対する根本的な解決は無く、このまま温暖化することでいずれ地球の王座が人類から電気ウナギに明け渡されるということになるってことでいいのかな?


〇最後に

 解決策として核爆弾が使用されてハッピーエンドって作品が多い中、その先に潜む危険性を論議しようとする姿勢は評価すべきところだと思う。

 ではでは・・・


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