~マグマは地球の血液~


〇はじめに

 原題:「MAGMA: VOLCANIC DISASTER」



〇想起する作品

 「ミクロの決死圏」(1966)
 「ダンテズ・ピーク」(1997)
 「ボルケーノ」(1997)
 「滅亡の黙示録」(2008)


〇こんな話

 休火山だったアイスランドの火山が噴火...


 溶岩流が調査隊を飲み込んだ...


 また同じくアイスランドの休火山。同じ場所の様に見えるが別の場所...


 大学教授と学生たちが九死に一生を得た...


 世界中で火山の噴火が相次いで観測され始める...


 日本が誇る富士山も...


 ふじさんも・・・、ん? これどこだ??


 これは、地球滅亡(エクソダス理論)の前兆だ...


 いや、もう滅亡の最中だ...



〇対策

 世界各地で頻発している火山噴火は、地球内部の圧力を放出するためのモノであり、その圧力とは人間活動由来の毒素や放射線が地球の自浄できるキャパを超過してしまったことが原因。

 ざっくりとは、地球がデトックスしており、地上のあらゆる穴から好き放題マグマを放出させてるので、その放出箇所を人間の都合の良い様に海底に移動させてしまえばいいのだという。海溝にありったけの核爆弾投下だ!!!


 地球の自浄システムの存在を唱えながら、今回の世界中の火山噴火を地球自身が導き出した最適な自浄システムという可能性を微塵も考えず、また人間の手によってそのシステムを狂わせたとしながら、俺たち人類がありったけの核爆弾を使って適切に導いてやればいい、とする傲慢な科学者には頭が上がりませんよ。



〇地球の血管

 マグマは地球の血液であり、火山活動とは血圧である。心臓であるコアから伸びる世界各地の火山を結ぶ血管と、その中を流れるマグマから、地球の症状を正確に読み解き、地球の発している声(メッセージ)に耳を傾けるべきだ、というテーマは非常に面白い。


 しかし、火口から流れ出る溶岩流という現象に固執してしまったのは悪手ではなかったか。画的なインパクトを狙ってだろうことは理解できるが、そもそもこの現象は人間に置き換えればささくれ程度に過ぎない、本来最小値として位置付けるべき「点」としての火山活動である。

 この「点」と「点」とを結ぶ線」としての、地下に張り巡らされた「地球の血管」としての火山活動こそ、博士たちが注視していた現象であり、警鐘を鳴らしていたエクソダス論であり、作品としての肝(最大値)であったはず。

 最小値であるはずの「点」に作品としての最大値を設定してしまったがために、最大値であるはずの「線」への展開が尻すぼみに感じられ、それにより両者に抱く印象のスケールが逆転してしまい、作品の根幹を揺るがす事態に陥ってしまっている気がする...


 局地的な画ばかりになるのは致し方ないにしても、もう少しそれぞれの現象の位置関係と結びつきがわかるような絵面と気概が欲しかった。



〇小ネタ1

 アメリカの地質学者が研究している富士山はここにあるらしい。


 何と間違えたんだろうか?? ⇩こっちは合ってるかな?



 あと日本の科学者は着物が作業着らしい。



〇小ネタ2

 アイスランドとグリーンランドの混同ネタって何なの?

 「サイレント・ワールド2012」(2011) でも気になったんだけど。


〇最後に

 博士のハチャメチャな言動と、それぞれの火山活動の意味合いを整理して、画的に適切な緩急がつけられれば傑作だったんじゃないかな。

 ではでは・・・


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