~お魚とお肉とお人間~


〇はじめに

 モンスターパニック映画はその街に根付いている住人の生活観を感じさせられたらもうそれだけでほぼほぼ勝ち確なんだけど、この作品はそれが抜群にうまい。



〇想起する作品

 「ザ・フォッグ」(1980)
 「サラマンダー」(2002)
 「30デイズ・ナイト」(2007)
 「メガスネーク」(2007)
 「DRAGON ドラゴン」(2015)
 「アイス・ロード」(2021)


〇こんな話

 3ヶ月続いた白夜が終わろうとしたその時、現世にヤツは蘇った...。ワイバーン復活!!



〇ワイバーンと地球温暖化

 悪く言えば閉鎖的で過干渉、良く言えば誰もが顔馴染みで寛容な街。住人たちが何かと集い入れ替わり立ち替わるダイナーを起点に毎朝、毎日、毎月、毎年繰り返されてきたのだろう廻りを、その街の空気を感じさせてくれる導入から見事。


 お客にとってのタダ飯とお店にとっての食品ロス解消、いつもの注文とついでのサービスに勘違い。人間とミンクと恋敵。

 住人が抱える事情に精通しているが故のテキパキとした客捌きが心地良く、新入りをその輪の中に引き込もうと距離感を図りかねる戸惑いや、逆に入り込まれていると感じているが故に線を引こうとするライバル視によって形作られる、受け入れ態勢万全な雰囲気がたまらないのだ。


 この新入りを配置したことで、余所の人間がその街に根付く工程に意識が向き、さらには元々誰もいなかっただろうその土地に人々が根付いてきた歴史への展望も容易で、人間と太古よりのワイバーンとの関係性に通じていくし、

 魚を捌いていた釣り人が襲撃されるオープニングに始まり、夏至祭りで美味しいお肉を頬張ることを心待ちにしジュージューと焼いている人々が捕食される様相を併せてみれば、

 現在において頂点捕食者を自称するようになった人類の立場を省みさせるいや引き摺り下ろすとともに、地球が抱えることになった人間由来の(とされている)地球温暖化問題の重大さも際立ってくる。


 え~っとまぁなんというかこう・・・、それぞれの事象がうまく関連しているというかちゃんと回ってて、街の住人たちの生活に見えるミクロな廻りを以て、地球規模のマクロな廻りに飛躍できてるというのか、・・・う~ん細かいことはいいか普通に面白い!!




〇余談

 トーマス・ミュラーに似てる・・・???



〇最後に

 個人的にこの作品は街の一員として迎え入れられてる感が絶妙なんだよね。なんだろうねこの感覚は、今まであまり感じたことがなかった。

 ではでは・・・


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