~ゾンビの大群は出てこないけど~
〇はじめに
最後に生き残った4人では特に無くて、それとゾンビというより凶暴化する方。
〇想起する作品
「インデペンデンス・デイ」(1996)〇こんな話
隔離地域の一画で逃げ遅れた4人の4日間のサバイバル。〇作り込みが丁寧
どこかの郊外モンゴメリー郡一帯が化学兵器工場の爆発によって全面封鎖隔離された。工場から漏れ出したガスを浴びた人々は凶暴化し一帯は地獄絵図に。
避難中に妻(婚約者?)と死別してしまったジムは彼女の遺体を抱え厩舎(?)へと立てこもるが、たまたまご近所の諸々潤沢な大倉庫へと避難していたスコットのお誘いを受け、泣く泣く遺体を放置し移動することに。4人のサバイバルが幕を開ける。
広範囲で確認できる現象を以て、無線やTVの中継映像から得られる情報を彼らの置かれた状況へと落とし込む演出が全編を通してグッド。
それぞれの行動の足掛かりとなる、道具や痕跡・動機に原因の数々の提示も丁寧で、次の行動の予測や否応なしに引き寄せてしまう何かしらの予感へと向けた視点移動および推移が滅茶苦茶スムーズ。極力言葉を発することのない独りという状況下でまずそれを魅せ浸透させる手腕に唸ってしまった。
さらにはそれが、非常時において拠り所となる日常(安全圏)の構築に一役買っており、この明確に敷かれた境界線や線引きによって次から次へと不安を煽る煽る。
そんな1つ情報が付加されることによってまた別の情報が付加されるあるいはシフトしていく工程が実に丁寧なのだが、これを1つ情報を除去することで新たな情報が見出されるという逆の視点も盛り込んでるのがまた絶妙。
わちゃわちゃゾンビが出てくる作品ではないのだが、その世界の広がりをじっくり堪能させてくれる実に上品な作品だった。
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