スナイパー・フロム・MI6 (2019)

2022年9月30日金曜日

2019年の作品 ジャンル:アクション 製作国:ドイツ

t f B! P L

~何がための~


〇はじめに

 全体的にそれぞれの人間の行動がまどろっこしくて何を目的としているのかが不明瞭な点が多々。



〇こんな話

 人質救出任務ではなく、脱出物語でもない。



〇誰がための

 大量殺人を行った中東のブラックサンデーなる組織のリーダーを抹殺すべく英国は秘密裏に特殊部隊を派遣。イードアルアドハーで無防備となる日を狙い奇襲をかける算段だった。しかし作戦は失敗、部隊の大半が殺されスナイパーとして帯同しこれが最後の任務になるはずだったレアも人質にとられてしまう...

※これは人質となったレアの救出任務でも脱出物語でもない


 特殊部隊に属し秘密裏の作戦に出向く者たちを、誰かの子どもであり、結婚という新たな門出を迎えようとする者であり、また誰かの親になるかもしれない者でもあり、これからの世界を支える者たちであるとそれはそれは丹念にこの作品は描き出す。

 彼らが大切な者たち守るべき者たちと幸せを噛みしめている裏で進む殺戮を魅せ、では彼らに殺されようとする者たちはどうだろうか、その戦争はいったい誰が犠牲になるのかを、誰がための何がためのものなのかを問いかけながら。


 父が上官の立場にある兄娘の親子の確執や、パーティ会場での北アイルランド紛争に関するひと悶着(世代間の対立)はどのような意味を持つのだろうか。常に光の差す下にいる若者たちと常に暗がりの下にいる上官兼父親は。

 レアという女性が抱えていた葛藤が、張り詰めた緊張の糸が切れた理由をいったいどこに見出すことができるだろうか。またもう一人が抱えていたモノとは何だったのだろうか。


 ただ...、レアがそうなるきっかけとなった作戦がお粗末過ぎて彼女が抱えていたナニカを突き詰める段階に移行しづらいというかそのスタートラインに立つに至らないのが難点。

 ただ命令されるがままに任務を完遂してきた特殊部隊のさらに精鋭という体のはずであるが、そんな積み重ねを一切感じさせることなくまるでそれが初めての任務が如き稚拙さや、失敗して当然かのような体裁を魅せてしまっては彼女の葛藤の入り口としては機能しないだろう。

 それに感覚的感情的に彼女の落ち度に見えてしまい、彼女への反感の方が勝ってしまうのよね・・・



〇最後に

 イギリスではなくドイツが撮ったことに意味があるのかね?

 ではでは・・・


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