~大地の記憶~
〇はじめに
「ジェネシス」(2018) のコンビ。「ラン・オブ・ザ・デッド」(2010) の脚本の人でもあり。
「緑はよみがえる」(2014)
「否定と肯定」(2016)
「レガシー・オブ・ライズ」(2020)
〇こんな話
歴史を冒涜してはならない。〇厳然たる事実
1919年の兵士たちの暴動...消えたロイヤル・ノーフォーク連隊...メセンの戦いを生き残った部隊とは?... 第一次世界大戦に残る多くの謎を解き明かすべく、歴史学者のブライアン・ロック博士は、その界隈ではかなり有名なプロダクションのメンバーと共に、戦場となった場所を巡るドキュメンタリー製作に着手。
手始めにソンムの戦いの舞台を目指す御一行だったが、異国の地で言葉はわからないは目的地すら把握してないはメンバーの一人が来てないはの散々な体たらく。
この作品自体がもうすでに起きた動かぬ事実を受けてのある種の回想であること。そして彼らが制作しようとしているドキュメンタリー作品とは歴史を再度辿る試みであること、を注視すべきだろうか。またテープに録画された記録と、その事態を体験しての人間の記憶とをリンクさせようとする演出が気がかりで。
時折挿まれる当時と思しき戦場の光景を当初は資料映像だと思っていたのだが、勘ぐるにこれはテープに残された映像記録ではなく、その大地が目撃した地球が経験したある種の記憶なのかもしれない。かつて血生臭い戦場だった場所に緑がよみがえっていたとしても、そこには厳然たる事実が存在したという戒めの意を持つのだろう。
嘘はついてない、ちょっとした脚色さ。歴史修正主義ってヤツですよ。明かされていなかった真実を解き明かす、今までの誤った解釈を正しているとすれば聞こえは良いが、見たい歴史を魅せるべく勝手に創造し史実から目を背けようとする彼らの姿勢は歴史を愚弄する所業と言っていいだろう。では、そんな彼らが見舞われる惨劇とは何なのか・・・
ニュートンは錬金術師だった。ガンジーは性人だった。ノーホール?。いい国作ろうじゃない。この肖像画誰やねん。戦国武将の流行の移り変わりで善悪が容易に反転する姿を目の当たりにしてきただろう昨今。
真実を追求した先にのみでなく、邪な感情や悪意を以て為されようとする歴史認識や解釈の変更を危惧する、いやそんな行いを断罪しようとするこの作品の訴えをしかと受け止めねばなるまい。
真実が嘘で塗り替えられぬ様に、嘘が歴史とならぬ様に・・・
〇最後に
「ジェネシス」(2018) がマクロな視点からのアプローチだったというか、人知を超えた大いなる意思の存在を見据えていた様なのでこんなアプローチになったが如何だろうか・・・
ではでは・・・
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