~当局の言う通り~
〇はじめに
ど~ち~ら~に~し~よ~う~か~な~? 全部当局の言うとおり!
「ミスト」(2007)
「101日」(2010)
「ディヴァイド」(2011)
「10クローバーフィールド・レーン」(2016)
〇こんな話
バイオテロ発生。目張りをして家に閉じこもれ!!
〇何かせねば
ミュージシャンのブラッドはモーニングラテで妻のレクシーを優しく起こし携帯の充電器と共に仕事へと送り出すと何をするわけでもなく段ボールの片付かない家で一息。 すると故障したテレビの代わりに毎日の行動の指針にしているラジオのニュースから、妻の職場があるロサンゼルスで同時多発テロが発生したとの緊急放送が。
すぐにレクシーに電話を掛けるが繋がらず、迎えにいこうとするも街へと通ずる道は警官たちによってすでに塞がれていた。
有毒物質がバラ撒かれたとの情報を得、周囲の人間たちの行動に感化されホームセンターで諸々搔き集め家に帰宅しようとするのだが、その道中で彼は街から逃げてきたと思われる人物を警官が射殺する現場を目撃してしまう。
やっとこさ家に辿り着き妻の帰りを期待するのだが待てど暮らせど。当局によって散々不安を煽られ、勝手に侵入してきたお隣で仕事をしているという赤の他人の急かしもあって、泣く泣く家の密封を決断。すると空から有毒な灰が降り始めるのだった...。その直後、ただいま~。ドアを開けて(# ゚Д゚)
限られた情報の中でも得られた確かな真実と、ラジオから流れてくる当局の不確かな情報とに縋る他無い混乱の中で、「外は危険、中は安全」という認識を築き上げた先に見えてくるもの。
目張りをするか否か、妻を家に入れるか否か、妻を探しに行くか否か...。劇中全く猶予を与えてくれなかった「今この瞬間どうすべきだろうか?」という問いの連続を、
有事によって露わになる有事前から2人の前に立ちはだかっていた結婚生活(人生?)の理想と現実を足掛かりに、中と外の状況の反転を以て「いったいいつどこでどうすべきだったのだろうか?」と彼“ら”の選択及び行動を遡らせ、取り返しのつかない時間の中で反芻させる演出がただただ見事だった。
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