~人間のままで~
〇はじめに
ポール・ローガンのしなやかさのないキレキレなアクションに、どこかぎこちないが慈愛に満ち溢れた少女との逃避行に感涙必至。
...他にもこういうのあったと思う。
〇こんな話
人間として生き、人間のまま死ぬ。〇人間として
第2次世界大戦中、スターリングラード攻防戦において使用され隠蔽された、死者生者問わずゾンビに変える生物兵器が、かつてソ連と手を組んでいたブルガリアのとある基地内武器格納庫地下8階に眠っており、今また同様の事態が起きるかもしれないという...
その実態調査のため、ポール・ローガン演じるジョンは、身分を偽りまた別に起きている武器強盗事件を名目にブルガリア軍基地を訪れる。しかしその調査によって武器の横流しが発覚することを恐れた大佐(だったかな?)が、世界を崩壊に導かんとするウィルス兵器が眠ってるなど露知らず格納庫ごと爆破し証拠隠滅を図ろうとするのだった...
案の定ウィルスはばら撒かれ街は地獄絵図に...
負傷した仲間を担ぎ、そこかしこに死体が横たわる戦場を、軍医を探し求め駆け回るドイツ兵士ハンス。しかしやっとこさ見つけた軍医は、治療の甲斐無く山積みとなった死体と、迫りくる大勢の敵兵(ソ連兵)を眼前に銃口を口に咥え引鉄を引いてしまう。治療を待っていたはずの仲間のところに戻ると彼もまた自爆による自死を選択していた...
仲間が次々と死んでいき、また死を選んでしまう無慈悲な戦場で憔悴しきってしまうハンスだったが、それでも生きることを諦めない。そんな最中、上空より生物兵器が投下され、周囲をゾンビと化した感染者たちに取り囲まれてしまう。彼はその状況をも掻い潜り生還を果たしたそうだが、その道中は一切が謎に包まれており、収容された精神科病棟で自身の体験を日記に書きなぐった直後(数日後?)自殺したという...
導入において描かれる混乱と恐怖が渦巻く戦場。人が人を殺す、人と人とが殺し合う人間の残虐さが語り継がれる戦争の惨状から、現代で巻き起ころうとしている事態への想起はもちろん、想像に難いハンスの生還劇において謎に包まれた部分を語り継がれなかった歴史を、分断された母娘の再会と生還劇に投影しようとした試みは評価したい。
分断されてしまった母娘が再開に至り、救出地点となる橋まで辿り着けたのはいったいなぜなのか? 娘の姿がフィーチャーされることでいったい何が失われていくのか・・・
人間のまま死にたい。人間が人間として人間のまま行った蛮行の数々を前提に紡がれていく物語(ゾンビサバイバル)から見えてくるモノはいったい何だろうか・・・
人間として生きるとはどういうことなのか? 人間の尊厳とは何なのか? 人間とはいったい・・・
〇最後に
最初の戦場に始まり全体の画に迫力がある反面、物語の進行に当たり繋ぎたい事象の数々が中々見えてこず強引に解釈したんだけど、勝手に納得できたのでこれにて終い。 ではでは・・・
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