~SFのノリではダメだよ~
〇はじめに
トップガンナーとは何なのだろうか? この作品にはその答えがあったのだろうか?
〇想起する作品
「トップガン」(1986)〇こんな話
千里の道も一歩から
千里の馬は常にあれども伯楽は常にはあらず
・・・ということを描きたかったはず。
〇テーマとノリが打ち消し合ってる
現在アメリカ空軍はパイロット不足に陥っているという。しかし候補生となるには体力・健康・視力・学歴の要件を満たす必要があり、さらには筆記試験をパスしなければならない。その狭き門を潜り抜けやっとこさ候補生になれ、その先にはさらなる厳しい訓練が待ち受けている。これはそんな候補生たちの物語...のはず。ロシアがテロ組織に配布を目論むCRISPR(クリスパー)という極秘ウィルス兵器を極秘作戦にて奪取した極秘部隊が、休暇返上で居残りとなった候補生4人が訓練に励む基地へと不時着。基地はロシア軍に完全に包囲されてしまう...のかな?
訓練生は4人なのに飛行訓練では6機飛んでて乗ってたのは3人だったり最初からハチャメチャ。緊急事態だなんだと言っておきながら夜は全員しっかり寝てるし、起きたら起きたで全員が一室に集まってやっとこさ「まだそれやってなかったの?」の嵐作戦会議が始まる。
ステルスだのなんだのって話は何処へやら、先に敵機を補足していながらその優位性を放棄し正々堂々ケツを魅せてやる様には呆れるし、そのくせドッグファイトは敵味方互いの位置関係がわからず何やってるか不明、おそらく演者たちもわかってない。
ベテラン兵士と候補生の差が描けておらず、この事態に陥るまでのそれぞれの積み重ねの差が見られず、また今回の事態における積み重ねも見えない。訓練と実戦の違いや兼ね合い、指標を描くことを放棄しており、メインとなる候補生たちの成長譚にもなっていない。
SF作品においては安心安全安定のクオリティを魅せる、勘・閃き・その場しのぎ・付け焼刃・独断専行で万事解決が今作では完全に裏目に出ている。諸々必要だろう描写を描いていない(描けない)からこそ尤もらしい台詞を並べ立てて補おうとしてるのもわかるが、それも墓穴掘っちゃってる残念な作品だ。
対エイリアンを描くSF系の作品であればジョークやノリがハマってそれなりに観られる作品になると思うが、堅実路線を辿るべき作品にそれを持ってきてしまうと目も当てられなくなることを証明した、アサイラムプレゼンツの良くも悪くも試金石となる作品として一定の評価は示すべきだろう。・・・か???
ではでは・・・
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