エージェント:カーター 暴走列車 (2020)

2021年3月31日水曜日

2020年の作品 ジャンル:アクション 製作国:アメリカ 舞台:電車(列車)

t f B! P L

~継ぎ接ぎの戦場~


〇はじめに

 主人公はジョン・カーターだけど、火星には行かないよ。



〇想起する作品

 「暴走特急」(1995)
 「ザ・ロック」(1996)
 「ザ・シューター 極大射程」(2007)
 「アンストッパブル」(2010)


〇こんな話

 ジョン・カーター、列車に乗る~



〇一貫性の無い継ぎ接ぎが奏功

 パリピが押し寄せレジャーを満喫するどこかのビーチの反対側では、ジョン・カーター率いるレンジャー小隊が、地球を死の星にできる爆弾の開発に着手している国際テロ組織と銃撃戦を繰り広げていた...


 任務は早々に失敗。護送(救出?)対象であるVIPとその家族をみすみす死亡させ、預けられた部下の命も守り切れず、負傷した部下1人を担ぎ出すのが精一杯だった。隊長としての役目を果たせなかった後悔とトラウマを抱え彼は隠居生活へ...


 山での生活が板についてきたところ、かつての上官が訪ねてくる。死んだと思われた、彼に引導を渡したテロリストがまだ生きており暗躍しているのだという。協力要請を渋々承諾し彼は誓う、「今回の任務では絶対に誰も死なせない」と...


 速攻で隊員1人死亡、隊長も死亡で、カーターがチームを率いる形に収束する新任務は早々に決着を見、彼の葛藤やトラウマはどこへやらと独り爆弾が積まれた列車へと侵入しテロリストを殲滅していく超絶テキトウな展開は恨めしいものの、

 今この瞬間世界が危険に晒されていることなど知りもせず無防備に裸を曝け出している同時刻別地点の一般人の存在を据え、彼らの戦いの意味と犠牲の虚しさを醸し出す導入は素晴らしいし、

 その肝心の戦場において、同じ場所で見合っているはずなのに、銃や戦車砲を構える度に、撃つ度に、爆発する度に、ロケーション(撮影地)を移動させ、最前線にいながら良く言えば冷静悪く言えば心ここにあらずなジョン・カーターの空虚さを際立る手法は見事。

 全体を通して唐突に流れ出すそのシチュエーションに似つかわしくないと感じる、とまではいかないようないくようなBGMで強引にテンポや抑揚を生み出そうとする気概は、意図してかせずか、それらの演出にそしてジョン・カーターという人間形成の後押しとなっておりなんだかんだ奏功していたと感じる、うん。


 同時刻同場所のはずなのに、やたらめったらロケーションが変わって面白いんだけど、同監督の「ディープシャーク」(2003) でも同じことを書いてたので、この方はそういう魅せ方が得意なんだろうね。

 亡くなられたとのことで、エンドロール中に彼に敬意を表するメイキングが挿まれていました。本編はこちらなのかもしれない。


〇最後に

 作品の完成度とか面白い面白くないは別にして、製作陣はいろいろ考えながら模索しながらやってることを再確認。誤解は控えたいけど、曲解してでも作品の意図を汲み取っていけたらいいな。

 ではでは・・・

このブログを検索

Wikipedia

検索結果

QooQ