~公平平等な感染症~


〇はじめに

 原題「SOLAR IMPACT」

 彗星の話ではなく太陽より飛来した放射性物質を原因とするゾンビもの。正確にはバイオハザードではなくパンデミック。「アルマゲドン」で括った方がネタにもされやすかったと思う。



〇想起する作品

 「ワールド・ウォーZ」(2013)
 「ファイナル・デイ」(2014)


〇こんな話

 境界線を敷き分断を強いる人間に襲い来る公平平等な感染症。


〇公平平等な感染症

 夜通し遊んだのだろうか、ロンドンにあるダイナーでグロッキー状態の4人の若者。気つけに濃いめのコーヒーを注文し、店員にオススメされた世界一の英国式朝食を嬉しそうに頬張り始める。中でもブラック・プディングをそれはそれは大絶賛...


 アメリカ(?)から親戚を尋ねに訪れた男性の付き添い(ついで)の旅行の様で、唯一の肉親であった姉の生前の願いを叶えてあげたいのだという。しかしいざイギリスに到着しても中々決心がつかなかった様子。独りで会いに行くと重圧を背負う彼に、一緒に会いに行こうと後押しをしてくれる友人の姿から4人の関係性が垣間見える。


 そんなやりとりの矢先、太陽からの放射性物質が地球に降り注ぐ。その放射線に触れてしまうと、人体のDNAが変異を起こし凶暴になるのだという。要はゾンビ...。ダイナーで意気投合し、実家が彼らの目的地の近くにある女性と共に逃げることに。1人、また1人と命を落としながら...


 死して蘇ったゾンビではなく、飽くまでも生きたまま発症する感染症であること。そしてその原因が人為的なモノではなく、太陽という
人類の力が及ばない自然的なモノという前提を考慮すべきだろうか。

 宇宙と地球...アメリカ(国)とイギリス(国)...ロンドン(都会)とヘザーフィールド田舎)...若者と老人...家族と友人と知人と他人と...感染者と非感染者...、見舞われる感染症被害から際立つ分断の数々。

 しかしそれらは線引きが至極曖昧なもので、いや境界線など本来無いものであることを、宇宙より飛来し誰しもに公平に平等に襲い来る感染症が明らかにしていく。

 その事実を基に、明確に噛まれた描写の無い男をどう判断し、ゾンビの群れに囲まれた教会の屋上に佇む3人をどのように捉えることができるのだろうか?


 ちょっと無理くりな解釈だったかな・・・



〇最後に

 エンドロール中に流れる各国の情景が美しかったね。

 ではでは・・・

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