~如何にもメル・ギブソンが主演のジャケ~
〇はじめに
メル・ギブソンいつ出てくるん?
「ミケランジェロ・プロジェクト」(2014)
「黄金のアデーレ 名画の帰還」(2015)
「ワイルド・ストーム」(2018)
〇こんな話
メル・ギブソン主人公じゃない・・・ カテゴリー5の超巨大ハリケーンがプエルトリコを襲う中、とあるマンションにて繰り広げられる、避難しようとしない住人と避難させようとする警官と火事場泥棒絵画強盗団の死闘。
正義感に溢れたバリバリの警官であったが、誤射事件で最愛の女性と火星人面犬を失ってからは失意のどん底で無気力且つ事なかれ主義になってしまったコルディーロ。彼はペーニャと共に避難を拒んでいる人たちがいるというマンションへと向かうことに。
より刺激を求め住民の避難誘導の応援にかけつけた、これを機に転属願いも出したというかつてのコルディーロの姿が重なるペーニャ。彼女はパトロール中何となくたまたま職質をかけた人間にビビビと来て追い打ちをかけたところその月の最高記録のヤクの押収に成功し、その実績を元署長に自慢げに語る。
ただ店頭にある分のお肉を買い占めていただけにも関わらず、あとから来たくせに子連れであることを後ろ盾に難癖をつけてきた男と揉め、しかも警備員さえもなぜか敵に回ってしまう不憫な黒人男性。ジャネットという50キロの肉を平らげる怪物を飼っており、なぜか制服を着た警官を襲うように躾けている。
誰かにとっては〇〇でも、誰かにとっては××で、また誰かにとっては...
その場において正しいと思った決断が、良かれと思ってとった行動が、そうせざるを得なかった選択が、時として本意とは異なる結果をもたらし、あらぬ波紋を呼ぶ。情報の送り手と受け手の間で齟齬が生じる可能性が多分にある。
それぞれに抱える成功体験とトラウマ。そのきっかけとなった事象が類似するモノであるにも関わらず正反対な結果に行き着いている様。また片や正当な片や不当でありながらも同様に自責の念に駆られている様を見つめ、
その先にある動機を、その動機を形成するそれぞれの人間に根付いている何かしらの本能や偏見を、ドイツ人老父が所有する絵画を巡る攻防から、そしてその隠し場所に焦点を当てることで説こうとする試みは非常に興味深かった。
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