~地球離婚、火星再婚~


〇はじめに

 火星には火星の良さがあるのに、人類はひたすらに火星を元番いである地球と比較し地球の様であれと強要したがために “火星は反逆する。”



〇想起する作品

 「鋼殻のレギオス」
 「テラフォーマーズ」
 「MOONLIGHT MILE」
 「トータル・リコール」(1990)
 「ミッション・トゥ・マーズ」(2000)
 「レッド プラネット」(2000)
 「インターステラー」(2014)


〇こんな話

 人類は地球と離婚し、火星との再婚を望んだ...


〇地球と離婚し火星と再婚

 資源を貪り尽くし破壊の限りを尽くした人類に対し地球が反撃を開始。まるで人類の破滅を望むかの如く自然災害が多発。人類は地球からの脱出を余儀なくされ、火星への移住計画がハイスピードで進められた...

 テラフォーミング(地球化)により火星を人類の住み良い環境へと作り変えていたところ、気温が上昇し休止していた火山活動が再開。火山性の大砂嵐が発生し、ドームで覆われた居住区を襲い始めた。脱出シャトルに乗り遅れドームに取り残されてしまった娘を救うべく父2人母1人が奮闘する。


 科学研究所の所長であるミランダにはエリーという1人娘と、破壊された地球を再生しようと火星に移住してこなかった元夫のフォスター、火星の移住計画の第一人者であるニールという現夫の2人の夫がいる。


 娘のエリーにとっては、幼くして自身を捨て地球を選んだ本当の親と、物心ついた頃から
火星でずっと心の支えとなってくれた育ての親の2人の父親である。


 離婚と再婚という男と女の在り方と、生みの親と育ての親という親と子の在り方を切り口に、地球脱出と火星への移住の論議を展開し、人類の在り方を展望する試みは面白いし、娘の恋人の存在と今までの枠組みに囚われないその恋愛の在り方を1つ示唆としているのも素晴らしい。


 しかし、人類と火星の共存という可能性において、火星を地球化(テラフォーミング)することが絶対的な鍵となっていることは揺らいでいないので、家族ドラマから見出されるべき人類の希望、詰まる所の人類が適応すべきだとする変化量よりも、火星が人類好みに調教されるという変化量の方が大きいと感じ、

 また、この手の作品にありがちな定型化された茶番劇(自己犠牲云々)や時間稼ぎが大半を占めてしまっていることもあり、足掛かりとすべき娘の恋愛観を絡めた意図も薄まっている。

 結局人類の変わらぬエゴが際立ってしまい、離婚と再婚とを糸口にしていたはずが、これでは人類の身勝手な浮気といった方がしっくりくるのではないかと疑問に感じてしまう作劇となってしまったのは至極残念だった。


 このラストの画も、娘の恋人は必須だっただろうし、どちらのパパもいるとした方が、作品に込められているだろうメッセージが際立ったと思うけどダメなんかね?


〇最後に

 娘のエリー役の人がエンディングを歌ってたみたい。本業は歌手なのかな?

 ではでは・・・

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