黒人魚 (2018)

2022年8月20日土曜日

2018年の作品 ジャンル:ホラー 製作国:ロシア

t f B! P L

~水~


〇はじめに

 この湖で夜に泳ぎたいと思うかな~?



〇想起する作品

 「13日の金曜日」シリーズ
 「イット・フォローズ」(2014)


〇こんな話

 私を愛してると言って!!



〇結婚は天国?地獄?

 “夜の湖には人魚がいるから近づくな”という古い言い伝えがあるそうで、もしそこで人魚と出会い愛の言葉を交わしたならばその途端意識を失い湖の底へと引きずり込まれ、逆に抗えば怒りを買い愛する者と引き離されるのみならず毎晩毎晩毎晩毎晩毎晩付き纏われ最期の時まで苦しめられるという。助かるには一番大切な人を人魚に差し出すしか...、要は出会ったが最後。


 
結婚を間近に控えた競泳の強化選手(?)であるローマと泳げないマリーナは、ある日ちょっとしたすれ違いから些細なわだかまりを抱えてしまう。その日その夜、お互いに心のつかえが取れぬままローマはマリーナを独り家に残し、湖畔の寂れた別荘で行われる独身最後のパーティへと友人の強引な誘いで連れ出されていくのだった。


 心にモヤモヤを残すローマはパーティのアゲアゲな雰囲気に乗りきれない。独りその場を抜け出した彼は心頭滅却澱み濁りきった湖に飛び込んでいく。一通り泳ぎ終え湖から上がってみると、そこには全身をびちょびちょに濡らした暗がり故容姿を判別できない絶世の美女がおり、彼は吸い込まれる様にキスを交わしてしまう。そして彼女は問いかける「愛してる?」...。あ、これ最初に言ってた人魚の伝説や!!

 
 湖、プール、シャワー、水道、排水溝、洗濯機、お風呂、雨、
点滴、霧吹き、湯気に蒸気、氷、リンゴ(果物に野菜)、お花、濡れた髪...etc.

 飛び込む、潜る、捕らえる、もがく、出る、流れる、落ちる、貯まる、詰まる、吹きかける、沸く、叩く、かじる、とかす...etc.


 水場に水回り、液体としての水はもちろん状態が変化した水、さらには水分を含むモノ水分を必要とするモノの表現に富んでおり、またそれに伴い生じる波、時に穏やかで時に荒々しく奏でられる音の数々が多岐に渡り描かれている。

 生活に欠かすことができない水、また身の回りに可視不可視で存在する水、環境や条件で様々に形状を変化させる水、向き合うモノによって向き合い方によってその表情を変貌させて魅せる水をベースに、結婚を間近に控えた2人に始まり、彼らを取り巻く親子にキョウダイ、友人・仲間といった人と人との繋がりを広がりを説いていく試みは非常に興味深いモノがあった。


 ただ...、プールで泳げない人を指導するに当たって、足のつかない深さの場所に置き去りはちょっとどころか引っ掛かる。彼女の場合泳げないというより水への恐怖心が大きい状態だから、まだまだ足のつく場所での指導が適切でしょうよ。2人の間にある信頼とすれ違い、わだかまりを象徴するシーンではあるんだろうけど、強化選手レベルのスイマーがちと浅はか過ぎるのでは?と感じてしまう。



〇最後に

 もうちょっと人魚を艶っぽく描いていただけると見やすかったと思うけどまぁ~

 ではでは・・・

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